3人が本棚に入れています
本棚に追加
スプーンでイングリッシュブレックファストティーのリーフをすくい、ポットに入れる。さらにアールグレイ、それからディンブラをそこに加えた。わたしだけのオリジナルブレンドティー。
どんな味がするかな。
お湯をポットに注ぎ三分と三十秒、きっかり待つ。
待ち時間は何もすることがなくて、わたしはくだらないことを考える。
ポットにもっといろんなものを入れられたら楽しいのにな、って。
アメとかマシュマロとかを入れてみたら、どんな味になるだろう。お母さんに怒られるからそんなことできないけど。でも、頭の中で想像するだけならいい。お父さんの胃薬、カレー用のスパイス、どんなものを入れたって怒られない。頭の中でなら。だからわたしは色んなものを混ぜてみる。蝶々の卵、蛇のぬけがら、サソリの毒、どんどん入れちゃえ。
教頭先生の目ん玉とかは?
じりじりとタイマーが鳴って、もう完成。
淹れたての紅茶。
期待をしすぎず飲んでみよう。がっかりするのは嫌だから。
うん、ふつうの味。奇抜さもなければ新鮮さだってない。
平凡な紅茶をあっという間に飲んでしまう。そしてわたしはまた途方に暮れた。
最初のコメントを投稿しよう!