Ⅲ 毒親

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 再び、沈黙が続く。 (でも、これを渡せば、ストーカーはいなくなるの…?)  しかし、私はぬぐい切れない疑惑もあった。  果たしてこれ一つで、しっかりした仕事をしてくれるのか。  だが、もうこれしかない。 「分かったよ…。でも、これは後から渡すで良い? まだ、信用出来ないから…。」  頼んでいるのは私なのに、図々しく言ってしまう。  しかし、四音は依然として笑顔だ。 「あぁ、平気だ。ありがとう、助かるよ。」    交渉成功。私はひとまずほっとした。  それからしばらくは、どのようにしてストーカーを突き止めて逮捕にまで至らせるかの作戦会議をしていた。    30分後、計画はすべて決まり、私たちは下校した。  ラッキーなことに、今日は塾がない。嬉しかった。  計画を実施するのは、明日から。残念なことに明日は塾がある。  だが、若干囮っぽくはなるがちゃんと策はあるのだ。
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