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「どういう、ことよ…」
罰の悪そうな顔をしている母に、問いかける。
しかし、母は暫く沈黙を守っていた。
「どういうことだって、聞いてるのよ!!」
思わず叫ぶ。母は驚くというよりも恐れるように震えあがり、ゆっくり話し始めた。
「だって…あなた最近勉強に身が入っていないじゃない…。塾に行かないで、遊んでいるのかと思ったから、尾けたのよ…。」
意味が分からなかった。何を言っているのか、理解できなかった。
勉強に、身が入っていない…? 遊んでいる…?
そんなわけない。だって、塾をサボればどんなに母に怒られるか知っているから。手だって上げられる。毎日怖かった。
「あなたが勉強に身が入っていないと、怒られるのは私なのよ! お父さんに、どういう教育してるんだって怒られるの! この、尾行だって、お父さんがしなさいって…。」
母は泣き崩れて地面に膝を付く。
「でも、本当はこんなことしたくなかったんでしょ?」
四音が、くぐもった声で言う。
母は、頷いた。
居ても立っても居られなかった私は、気付いたら母に抱き着いていた。
「もっと…違う方法があったでしょう…!」
怒るとも励ますとも違う言葉で、私は母と一緒に泣く。
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