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しかし、もうその頃には疲労も限界を達していて、ロビーという公共の場所で倒れ込んでしまう。
肺が酸素を欲しがるように、必死に周りの空気を取り込む。
気付けば体は震えていた。
身に感じる、本物の恐怖。
こんなことが、ここ最近ずっと続いている。
最初は親に相談した。
けれど、信じてくれるわけもなく、逆に塾に行かない理由にしていると誤解された。
次に交番に行ってみた。
けれど、物的証拠がないとそういうのは捜査出来ないと断られた。
次に学校の先生に相談した。
けれど、アドバイスをしてくれるだけで本格的には立ち会ってくれなかった。
最後に友達に相談した。
でも、同情してくれるだけで誰も助けてくれなかった。
もう、誰もいない。相談する人は、もう誰もいない。
助けてくれる人も、もう――。
どんなに絶望の底に突き落とされようと、朝はやって来る。
いつものように朝食を食べ、制服に着替え、学校へ向かう。
前方には友達と思われる後ろ姿が。
本当は友達と話す元気もないが、話せば逆に元気が出るだろうと、小走りに友達を追いかける。
今日はその子と、登校した。
確かに気持ちは楽になったが、恐怖はそんなものじゃ拭えない。
教室に入ると、もう既に何人かの生徒が登校している。その中には友達もいたので、私は乗り気じゃない体を友達の元へ。
「おはよー!」
元気よく私に挨拶してくれるのは、私の友達。
「おはよう。」
無理やり笑顔を作って応じる。
「ねぇ、聞いた? 転校生のこと。」
友達が素早く話題を変える。
にしても転校生なんて、私は知らなかった。
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