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「おいてめぇ!!そこにいるてめぇだてめぇ!!おい茶髪!!聞いてんのかてめぇ!!」
とか言って思いっきりこっちに向かってやってくる怖いお兄さんがいた。
いや怖いってば。
「なぁに?うるさい。黙っててくんない?今かわいいクラスの子と喋ってんの目にはいんない?あ、目ぇ節穴だからわかんないかぁ。まぁ邪魔だからどっか行ってくれればいいけどさ?」
と、相手を煽る天才かのようにぺらぺらしゃべっている。
案の定相手も青筋立てて切れている。
って今、≪かわいいクラスの子≫って言ったかこいつは。
お世辞でも言えねぇだろ。
かわいいっていうのはクラスでいう高梨さんみたいな人のことをいうんだよ。目ぇ節穴はお前も一緒じゃね?
とか思っている俺は腰を抜かして座り込んでいる。
怖いもんは怖いから仕方ねぇだろ。
それに相手も怖いけど、こいつはもっと怖い。
さっきまでの優しい笑顔が瞬間で消えた。
殺意剥き出しっていうか、なんか人殺してそうな顔っていうか。
腰抜かした俺の頭をぽんぽんしながら俺の顔をのぞき込んで優しく、
「大丈夫だよ。すぐぶっ殺してくるからちょっと待っててね。」
って。
いや一番怖いのお前だから!
とか言えなくて、ぷるぷる震えながら「うん、」って言ったら「いい子。」ってまた撫でられた。
そのあとのことはあんま記憶にない。
気付いたら学校にいてイケメンモテモテハイスペックな喧嘩屋さんと一緒に担任に怒られた。解せぬ。
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