Act 0 〜Prologue〜

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うにょうにょしたのが沢山いるー! 変な足の長いやつもいた!! 刺されたら死んでしまうかもしれない……! 穴に向かってありったけの虫退治ジェットを噴射したけれど、どうなったのかは怖くて確認できない。 その瞬間、この部屋は出ようとシンプルにそう思った。 すぐに大家さんに報告をして業者を手配してもらったが、修理には少し時間が掛かるとのこと。 生活に支障がないからそのまま使っていいと明るく言われたけれど、虫と同居なんて絶対に無理!! こういう時に頼れる知人は限られていて、虫と鉢合わせならないよう必死に、ある程度の荷物をまとめて向かったのは、大学時代の友人のところだった。 彼女は実家住まいだったが、事情を話すと御家族にも相談をしてくれて、使っていない離れを私に提供してくれた。 プレハブ小屋のような造りの離れでも、今の私にはカンブリア宮殿のようだ。 落ち着くまで自由に使ってくれたら良いよと、彼女もご両親も言ってはくれているが、いつまでも居座るわけにはいかない。 新しい家を探しに行こう! でも、無職と契約をしてくれる不動産屋なんているのかな……? 何軒か回ってみたものの、答えは勿論ノー。 敷金礼金くらいは貯金で賄えるけれど、流石に無職は相手にしてもらえない。
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