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「ねえ、じゃあどこか寄っていこうよ」
「うーん……だったら、『みどりや』は?」
「いいね!久しぶりにカオスな特盛パフェ食べたいかも!」
「じゃあ、決まりね」
学校の帰りに、よく寄り道した『みどりや』は、店の外に2体の謎の仏像が置いてある、この街では知らない人がいない迷店だ。
奇抜なメニューが多くて子供ながらに興味を惹かれるものがあった。
特にマスターのその日の気分で内容が変わる『特盛パフェ』というのが看板商品で、普通では考えられないようなものが乗っていることがある。
私が経験した変わり種をいえば、讃岐うどんとか釜揚げしらすとか、一度、海老シュウマイが乗っていたこともあったっけ……。
でも、信じがたいことに、悲観するほど不味くないのだ。
店までは車で15分ほど、住宅街のはずれにある。
片側一車線の狭い県道を南下しながら、見飽きた風景をじっと眺めていると、世間話をするかのように和がふと話しかけてくる。
「くるみ、それにしても災難だったね。内定取り消しの上に、アパートの床が抜けるなんて」
「……ちなみに、それだけじゃないから」
「は!?まだ何かあるの?」
「店に着いたら、ゆっくり話すよ」
彼に騙されたことは、話していなかった。
和の反応が手に取るように予想できるから。
でも、折角だから話してみようと思う。
きっと、呆れられるに違いないけれど。
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