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「あっ……宝町東の交差点のところのコンビニ、確か求人していたよ」
宝町東の交差点……。
他の地域ではあまり見かけない、マイナーなコンビニチェーン店『サニーマーケット』か。
近くの高校に通っていたので、学生の頃はたまに利用していたけれど、ここ最近は用事がないので近づくこともない。
確か、あのコンビニは………
「えー、やだよ。篤がバイトしているコンビニでしょ?」
「そうだったっけ?」
「うん。あいつに仕事を教わるなんて、想像するだけでも無理だわ」
「そりゃそうだ」
大学の頃はカフェでバイトしていたので接客は得意だけれど、コンビニの仕事ってやることが多くて意外と大変そうだ。
それに、こっちに戻ってきたとき、偶然会った篤から愚痴のような苦労話を聞いたことがある。
時給は安くて仕事が多い上に、店長がとても厳しい人だと。
ちなみに篤は小中高の同級生で、私の幼馴染でもある。
「……サニマはパスかな」
「私も探してみるよ。良さげな求人があったらすぐ知らせる」
「ありがとう、助かるよ」
私の反応が微妙だと気づき、和は気を取り直して笑顔で言ってくれる。
そして無職の私のために、お茶代までご馳走してくれた。
いつか、恩返しをできればいいのだけれど……。
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