Act 0 〜Prologue〜

9/15
前へ
/218ページ
次へ
突然の依願退職の申し出に、会社とトラブルになって海に沈められたとか……!! 一流企業だからと言って油断はできない。 実は裏社会との繋がりがあって、会社の秘密を知っていた誠さんがターゲットに選ばれて……大変だっ! こうしてはいられない、今すぐ会社に行って確認しないと!! 最近、深夜に放送されていたアウトローな闇金の任侠映画を観ていたせいで、完全にその展開しか思い描けないでいる私は、ただ落ち着かずに部屋の真ん中をうろうろと徘徊していた。 その時、スマホに一通のメールが届いた。 もしかして、誠さんかもしれない……! 彼にメアドを教えた覚えはないが、直感的にそんな気がして、私はすぐにそのメールを開いた。 『御報告と御詫び』という件名は明らかに穏やかなものとは思えなくて、冒頭はビジネスメールらしい文面で書き出されている。 結論から言うと、それは彼からのメールではなく、来週から就職する予定の会社からのメールだった。 内定が決まってから何度かメールで連絡はあったから、注視するようなことではない。 初日のスケジュールの確認だろうと、メールを読み進めて行くと、そこにはとんでもない内容が記載されていた。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

949人が本棚に入れています
本棚に追加