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救い
答えてほしい、祈る。
自分を救うてくだされ。
そう、願う。
答えなど無い。オマエがしていることは全て、誰かの為だ。
それに自分の意味が加味されると思うな、傲慢なヤツだ、オマエは。
そう、阿闍梨は厳しく言い放つ。
…自分の為に生きる事は、赦されないのですか?
…何故そんなに、苦しむ?オマエは誰かの痛みの中でしか、存在価値が無い。
…!
晴れない空を見上げて、私は絶望した。
自分の望んだ未来は、楽をする道。だから、失敗したのだ。
ヨソヨソしくなる廻り。
僕は周りから見て、酷い男性だった。
沢山の罵声を浴びせ、虐め尽くした。
自分ばかり酷い、僕だけが苦しんでいる。
なんで、楽に生きられないんだろう…他人を憎み、被害妄想に駆られて、僕は、自分の責任だと思わなかった。
仕事が段々苦しくなっていったのは、自分が出来もしない事をやろうとしたからだ。
まだ時期が早かった、そう彼女は僕に言った。
その通りだ。
僕は、待ち切れずに彼女を急かした。
彼女の本意とは、裏腹な事を願って、自分の安定を捨てさせた。
そう言う事実に、僕は身勝手な自分の楽欲しさに、我儘になった。
楽をしたいと思うが余り、自分しか見えなくなり、彼女の幸せを妬んだ。
僕は悲しかった。彼女の肌の温もり、孤独と癒しが、早く欲しかった。
肉体を欲したばかりに僕は、精神を疎かにしたせいで、悲しい結末に追い詰めた。
孤独だったのは、彼女もだった。悲しい。悲しくなる。涙が溢れて止まらなかった。
チャンスだと思わせてしまった。
婚約指輪を餌にして、僕は彼女に正常な判断を許さなかったのだ。
自分が全て招き寄せた事だ。
どうすれば、苦しみから解き放たれますか?
オマエが自分の利益の為に答えを出さないなら救われる。
は?
オマエは他人を救え。それしか、オマエは満たされない。
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