美しき姫君2

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美しき姫君2

 城内 とある一室 (……) (……)  ジっ…… 「…… 楓禾姫…… そんなに見つめられたら穴が 開くんですがね?」  私は……忽那詠史(くつな えいし) 霜月(しもつき)の二十六日生まれの十七歳だ。  まぁ絵師? の様な者だ。 「穴? なぜ? 良く意味が分かりませんが…… 開いてしまったら私が直しますゆえ。詠史殿は 襖の張替えもできるのでしょう? 教えてくださいませ」  なぜそう取るかね?  「そんだけジっと見つめられたら、穴が開くのは私の背中ですよ。楓禾姫」 「ますます意味が分からないわ。詠史殿」  ですから物の例えですよ。楓禾姫……  それに、手先の不器用な貴女様が襖を張り替えたら……  まあ、これは黙っておきますか……  立場上。私は*俯瞰(ふかん)で情勢を見れる立場にある……  美しき姫君…… 楓禾姫様…… 貴女様が…… 治めるべきなのです。 *俯瞰 客観的に全体像を見る
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