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肩下まで伸びた髪は今まででいちばん長い気がする……放置し過ぎにも程がある。
……覚えてないけど、もしかしたら『そろそろ切らなきゃ』って思ってた頃にこっちへ落とされたのかな。そこから更に伸びたって考えたら納得だ。
───今日にでも切るか。
と静かにため息をついたところでとりあえずその思考は閉まっておく。後で出そうね。
流石に僕もブレイクさんにこんなキラキラした目で聞かれたら……今日のところは選ばない訳にはいかないよね。
用意してもらったのに申し訳ないし……
僕はチョン、と藍色のリボンを指さした。
暗色系とか寒色系とか……特に藍色が似合うって言われた事があったから、迷わずそれ。
ほかのと違って無地だったしレースみたいなヒラヒラしたの、着いてなかったし。
……なんかブレイクさん勘違いしてない?僕髪長いけど男ですよー。
っと。伝わりやしないんですけどね。
ブレイクさんが頷いて、大きな手で器用に藍色のリボンを摘んで僕の髪をまとめて行く。大きなお手手に小さなリボン……んー、似合わないなぁ、と笑みがこぼれる。
頭にブレイクさんの指が触れるとなんとなく美容室に行った時みたいな、くすぐったいような心地いいような感覚にうっとりする。
ふと、こちらの世界ではどうやって髪を結うのかなと目の前の鏡をみて確認。ゴムは使わず、髪型はとりあえず普通に後頭部でひとつにするみたい。でも自分からじゃあまりリボンは見えないなって少し残念に思ってしまう。せっかく藍色にしたのに……それから視線は自分の顔へ───···
……うーん?…似合うのかな?これ。
不細工ではない。もちろんイケメンでもないけど。
みんなは可愛いって言ってくれたり、綺麗なものが似合うって言ってくれるけど……何度見てもやっぱり顔は普通………
特に目鼻立ちがハッキリした顔って訳でもないし、鼻も短く低くい。堀も浅くてそれはそれは日本人らしい顔立ち。
決して目も当てられない訳じゃないと自負してはいるものの、個人的には外人さんのような彫り深の顔立ちに憧れているので残念。
妹は母さんに似て褐色肌で白目と茶色の目が際立ってかっこいいタイプだったから、ちょっと羨ましかったりもしたんだよね。
僕もそういうエキゾチックな感じが理想だったんだけど、僕は日本人だし……無い物強請りもいいとこ。
けど、人間ってそういう生き物だから仕方ない。
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