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────って母さんの会社の人が言ってた。
大人ぶって申し訳ないけど受け売りです。まぁ、なんせ僕は中学生ですから!難しい言葉をもし知っていたにしてもそれが自分の手足のように使えるかは別。つまり持て余してるとも言う。これでも頭はいい方だったのに……ええ、そうです、僕はテスト以外には生かせないタイプの不器用人間でした。
友達に『頭は良いのに勿体ない』と言われたことを思い出して若干気持ちが凹んだ。
ポン、と肩を叩かれてハッとする。鏡越しにブレイクさんを見るとにっこりと笑われた。よく分からず僕が曖昧に笑い返すとブレイクさんからキョトンとした顔が返ってくる。
それに逆に僕の方がキョトンとするとまたにっこりと笑って今度は僕の頭の方を指さす。
───?さっき見たよ??
と思って再度見てみると……
───………なんということでしょう、花がっ
先程ブレイクさんが結ってくれていた最中には無かった藍色の小さな花が、結われた髪に挿されまくっているではありませんか!
かわいい~とまるで女子のような心境でわぁっと顔が明るくなる。この花はブレイクさんが持ってきてくれる花の中でも特にお気に入りのものだ。ブレイクさんが枯れそうだからってさげようとしても僕がまだ平気だと意思表示してギリギリまで止めるような花。
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