793人が本棚に入れています
本棚に追加
【挿絵注意報】
最後に改行沢山しておきました。
苦手な方は対応の方お願いします。
────────────────
ブレイクさんを見ると、まるで『えへへ』と声が出そうな程に破顔された。可愛い人だな、と真面目に思っていると、ひょいっと椅子から持ち上げられて今度はベッドに移動して降ろされた。歩けますよ?
「******?……********?」
手元に差し出されたのは僕のお気に入りの藍色の花が沢山刺さった花束。びっくりしてブレイクさんを見ると彼は眦をキュッと下げて笑った。
何かを呟いては首を傾げて来たり、しきりにニコニコされる。まるで“気に入った?”とか“プレゼントだよ”って言ってくれてるみたいで本当に嬉しかった。
ちなみに『プレゼント』という言葉だけは最近分かるようになった。いや、正確には合ってるかは分からないのだけど、それは彼がなにかくれる時必ず言っている単語で、ここの言語って発音も日本語ぽくて認識さえしてしまえば覚えやすくはあるのだ。
合ってなかったら恥ずかしいけど、まぁ.......僕話せませんし....?心配するだけ無駄ですけど。
枯れたら嫌なので貰って直ぐに水を入れた花瓶に移した。そこで髪に挿された花も取っては花瓶に挿す、という動作を繰り返して全部終えて達成感から満足気にブレイクさんを見る。
僕はこんなに嬉しいんだよ、と伝わってほしくて緩みたいってお願いしてくる表情筋を自由にさせてあげて、めいっぱい伝える。けど、ブレイクさんは僕が振り返った時何故かキョトンとしていて、それに構わずニコニコしていると途端噴き出したように破顔して楽しそうにしていた。
なんだろう?と思っていると、スタスタと近づいてきたブレイクさん。不思議に見ていれば僕の髪に残っていた花をとると花瓶に加えてくれた。……まだついてたんですか?
────もっと早くジェスチャーか何かで教えてくれればいいのに…これ、貴方がやってくれたんですよ?
決して不機嫌に見え過ぎないよう自重しつつ軽くて口をとがらせるとブレイクさんは“ごめんごめん”と言った具合いで頭をくしゃくしゃと撫でてくれた。
僕は走り回れるほどに回復(副作用が切れただけ)している。ブレイクさんと沢山お話して.......いや、ブレイクさんが僕にお話してくれて、か。
今日も彼が帰っていき、お昼の頃を思い出す。あの甘いスムージーが昼にも出されて、それを美味しそうに飲む僕を見てブレイクさんも嬉しそうにするものだから本当に幸せだった。
こちらに来てから気が滅入ってしまって、ついつい表情や気持ちが暗くなりがちだったけど、ブレイクさんが居てくれたことでやっぱり精神的に少し救われたように思う。
挿絵になります。
最初のコメントを投稿しよう!