カルクの当たり前と奇跡

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比喩ではなく、紛れもない黒。 どこまでも深く昼の光に照らされてもそれらは茶に輝くことなく鈍い銀色の光沢を放っている。神様の“ような”ではなく、神様の“生まれ変わり”なんじゃないだろうか?ありえない想像が頭をものすごい速さで駆け巡る。 その場の喧騒は嘘のように静かになり、誰もが時が止まったように無意識に口や体の動きを止めていた。 また堰を切ったようにボロボロと啜り泣き始めた彼は周囲にいる大人たちに音のない叫びを浴びせ、最後にはまた僕の元に戻り抱きしめてくれ───いや、というより縋りつかれた。 当事者なのに状況が飲み込めない。僕だけじゃなく周りも唖然としていた時、見知った声が聞こえてきた。 僅かに鎧の擦れる音と共にこちらに駆けてくる暗い金色の髪をした男は僕の腕の中の少年を見て叫ぶ。 「────御使い様……っ! て、カルク!?」 みつかい…? 叫んだのは第一騎士団のブレイクさん。彼の後に続いて第一の副団長率いる団体が着いてきていた。 「よ、よかった………っこんな所にいたのですか」 ブレイクさんが顔色の悪い顔を安心したように綻ばせたのは束の間で、少年()の額から薄く伝う血を見てまた顔面蒼白になった。 第一の副団長、亜麻色の髪と瞳の薄く美麗な顔立ちのイーサン副団長も追いつき、彼の傷を見てすぐに連れてきた団体に指示を出し始める。 そして蒼白で焦るブレイクさんの肩に手を置き諭すように言った。 「ブレイク、すぐに宿舎戻ります。準備しなさい」 「はい!」 僕はその間、放心していてどうしたらいいのか分からなかった。 イーサン副団長は既にその場に集まって放心していた人間への対応を始めていた。ブレイクさんも僕の腕の中にいる御使い様に目を向けると、僕から引き離そうと彼に声をかけ出す。 「…御使い様、もう大丈夫です。部屋に帰りましょう」 「…っ~~~!!」 「み、御使い様…っ」 「~~~~~っ!?」 ブレイクさんが彼に手をかけ、声をかけるも聞く耳を持たない。
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