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男の子とブレイクさんが何かを長々と話している間、僕は俯いて反省していた。なんとかなる、とか心のどこかで思っていた。 でも人種が違うだけであれほど差別されるこの世界は、日本にいた頃のギャップからか僕にとってあまりにショックだった。
……しかも言葉もわからずお金もない、手に入ったとしても使い方も分からない。冷静に考えたら僕が生きていけない事なんて簡単にわかっただろうに。
後々恩返しとか……正直その前に野垂れ死んでてもおかしくなかった。
パタパタパタッ────バタン!
「────******!!!」
扉が勢いよく開き、部屋に入ってきたのは血相を変えたロイドさんだった。彼は僕を見つけるやいなや足早に近づきサッと抱き上げると…
────わ、すご、はや、おぉ……
……僕をベッドに座らせた。
早業である。
ロイドさんは僕の髪を優しく避け、額を露にさせる。
多分石が当たって傷が出来たのだろう。何となくさっきからカピカピしてるなぁと思ってたから……あとたんこぶができた時みたいに痛かったし。
水なのか消毒液なのかわからないが、無色透明の液体を染み込ませた綿で患部を綺麗にしたロイドさんは、そこへ薄緑色の薬のようなものを染み込ませたガーゼを当て手早く包帯を巻いてくれた。
ロイドさんからの治療が終わり、彼が道具を片付けているのを横目にブレイクさんたちを見ると、ブレイクさんは男の子と話していて細身の人は壁に持たれて待機していた。
まだ男の子と話し続けているブレイクさんのいつもとは違う格好が少し気になった。
鎧や腰に刺さった剣をじっと見つめてしまい、ロイドさんに何かを聞かれてしまう。分からないのでとりあえず意味もなく笑みを浮かべて………申し訳ないが放置だ。
今はそれよりブレイクさんの格好や細身の人の格好がちょっと騎士ぽいのが気になる。
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