色に出に蹴り我恋は

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更に顔を近付けられて鼻が重なった。 息が頬にかかり、柚月は懸命に意識を反らそうとするが、大雅の太股が足の間に入り込んだところで、ブチッと何かが切れた。 足を振り上げ腹を蹴ろうとしたところ、いち早く気付いた大雅が手を離し後方に下がった。柚月は身体を回転させて足を振り上げた。 しかし、その足を脇に挟まれ、引っ張られた。 「ちょっと!離しなさいよ!」 「嫌だね。また蹴るだろお前」 スカートが捲り上がり太股が半分見えている。 大雅の手が膝裏から上に伸びて、撫でた。 柚月はひっと息を飲んだ。 「いけない足だなぁ、オイ」 「てめぇ、猥褻罪だぞ。離せ!」 「じゃあ、もう、蹴らない、俺から逃げないって約束な」 「…くそ、わかったよ!」 ようやく足が自由になって、柚月はその場に膝を抱えてしゃがみこみ、顔を伏せた。 「なんなんだよ。もう、私の事はほっといてよ」 大雅が側に近づいてくる気配がした。 革靴の爪先が見える。 「ほっとけねぇ」 大雅は前に屈むと、柚月の頭にポンッと手を置いた。 「お前が突然消えて、俺たちがどんな気持ちだったか分かるか?仲間だと思ってたのに何の相談もなくよ」
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