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「は?知也は中学生だけど?」
大雅は、目を見開いて静止した。
「チュー坊と付き合ってんのか!?」
柚月は大雅の腹に拳を撃ち込んだ。
大雅はウッと唸り、腹を押さえて前屈みになった。
「くだらない。知也は弟だよ」
「う…お前に、弟、なんて、いねぇだろ」
腹を押さえて悶える大雅を見下ろして、柚月は冷ややかに言った。
「正確には母親の再婚相手の子供だよ。学校がこの近くなんで、部活で遅くなったときなんかにうちで夕飯食べてくんだよ」
大雅は顔を上げると、後ろを振り返った。ドアから顔を出してこちらを心配そうに見ていた知也がビクッとして肩をすくめた。
「怯えさすな!」
大雅は大きく息をついた。
「ちょっと、そのまま待ってろ」
そう言い残し、廊下を走り階段を降りていった。
柚月は訝しげにその後ろ姿を見送った。
「知也右回れ、俺が援護するから」
「わかった。あ、左前方からもう1人来た。大雅さん、撃っていい?」
ソファーの両端に座ってオンラインゲームに盛り上がる2人を、柚月はキッチンから眺めていた。
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