色に出に蹴り我恋は

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タクシーを帰して家に上がり込んだ大雅は瞬く間に知也と仲良くなってこの状況だ。まさに人たらし。 柚月は呆れながらも、知也の明るい表情を見て笑みを浮かべた。 多感な時期に父親の再婚でいきなり新しい母親と姉が出来た知也は、当初、柚月になかなか心を開いてくれなかった。今ではしょっちゅう部屋を訪ねて話もしてくれるようになったが、やはり同性のように気安く、という訳にはいかないのだろう。初めて見るテンションだ。 「ご飯出来たよ」 肉ゴボウうどんと大根菜としらすのおにぎりを二人分、テーブルの上に運んだ。 知也と大雅はいそいそとスマホを置くと、揃って、いただきます、と手を合わせた。 知也はちょこんと正座をして、流行のマッシュヘアを柚月のヘアバンドで上げ、つるつるしたおでこを見せながらうどんを啜っている。 対して隣の大雅は、ネクタイを緩ませシャツのボタンを胸まで外し胡座をかきながら、緩くウエーブのかかった髪を気にもしないで丼を掴んで汁を啜っている。 キュート&ワイルド… 「うめぇな。姉ちゃんの飯」 「うん」 適当飯なのに。 何だか不思議。でもなんか良い。
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