本編

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「あいつ自身もわかって無かったんだろうな、いなくなって初めてわかるってやつだよ。…周りは随分前から知ってたけどな。何かあったんだろ?最近、大雅と」 柚月は目を泳がせた。 「ああ、まあ…ね」 「俺からはこれ以上は話さねえよ。あいつの口から直接言わせねぇと。だからよ、頼むからあいつと会ってやってくれよ」 デコッチは胡座をかいて頭を抱えている。 「はぁー、7年も経ってんのに、何でお前ら未だに拗らせてんの?」 「ごめん…」 デコッチは柚月を見上げた。 「イバタも色々あったんだろうけど、いい加減に逃げるの止めれば?」 いつの間にか風呂から上がった知也が、柚月の側に来てデコッチの話を黙って聞いている。 「多分、お前も7年前のことを引きずってんだろ?現在に至るまで引っ張ってるってことは、もうそれは過去の事で済ましちゃいけねえんだよ。信じられない偶然で会えたんだからこの奇跡を無駄にすんなよ。素直に気持ちを伝えてすっきりしてこいよ。大雅は不器用だけど懐は深い奴だって知ってんだろ?」 柚月は頷いた。 その時、柚月が握りしめていたスマホが鳴った。柚月は慌ててメッセージを確認した。
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