405人が本棚に入れています
本棚に追加
「あいつ自身もわかって無かったんだろうな、いなくなって初めてわかるってやつだよ。…周りは随分前から知ってたけどな。何かあったんだろ?最近、大雅と」
柚月は目を泳がせた。
「ああ、まあ…ね」
「俺からはこれ以上は話さねえよ。あいつの口から直接言わせねぇと。だからよ、頼むからあいつと会ってやってくれよ」
デコッチは胡座をかいて頭を抱えている。
「はぁー、7年も経ってんのに、何でお前ら未だに拗らせてんの?」
「ごめん…」
デコッチは柚月を見上げた。
「イバタも色々あったんだろうけど、いい加減に逃げるの止めれば?」
いつの間にか風呂から上がった知也が、柚月の側に来てデコッチの話を黙って聞いている。
「多分、お前も7年前のことを引きずってんだろ?現在に至るまで引っ張ってるってことは、もうそれは過去の事で済ましちゃいけねえんだよ。信じられない偶然で会えたんだからこの奇跡を無駄にすんなよ。素直に気持ちを伝えてすっきりしてこいよ。大雅は不器用だけど懐は深い奴だって知ってんだろ?」
柚月は頷いた。
その時、柚月が握りしめていたスマホが鳴った。柚月は慌ててメッセージを確認した。
最初のコメントを投稿しよう!