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「かと思えば迷子の親を探したり、ぎっくり腰になったおじさんを病院に運んだり…お節介だったよね」
「ガキ大将だよな。ちっせぇころ出来なかったことを高校生になって実践してるっていう。…だからな、お前に対する気持ちもあいつ自身わかってなかったんだよ。常に側に置いて周りを威嚇してベタベタ触ってよ…見てるこっちが恥ずかしかったわ」
「お気に入りのオモチャってとこ?…でも、大雅、こっそり付き合ってる彼女がいたじゃん。何度か見掛けたよ」
デコッチは、頭をかいた。
「あー、あれね。…俺たちも後から聞いたんだけどよ。事情があるみたいだぜ?それも本人から聞けよ。…着いたぞ」
柚月は、車を降りた。
デコッチは助手席から柚月に手を振る。
「あいつのこと頼むわ」
柚月は頷いた。
「来週の連休帰るんだろ?俺もそれまでには仕事が片付くから向こうで待ってるわ」
「わかった」
エンジン音を立てながら軽トラが遠ざかる。
柚月はそれを見送って、大きく深呼吸をしてからアパートへ向かった。
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