色に出に蹴り我恋は

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柚月は覚悟を決めて席を立った。 「現地で説明します。十七夜さん、お時間ありますか?」 大雅は、はい、お願いします、と答えた後、口の端を上げてニヤリと笑った。 柚月はそれを目にしてしまい、絶望的な気分になる。 会議室に向かう廊下で大雅は後ろから話かけてきた。 「お忙しい薬丸さんに、お手数をかけてしまってすみません」 「仕事ですので」 「先日から、ずっとお話する機会をうかがっていたんですが、なかなか隙が無くて」 避けまくってましたからね。 「私は話すことなんて無いんですが」 会議室に着き、柚月はカードキーを取り出して解錠すると扉を開けて大雅を促した。 扉は開けたままにしておくつもりだった。 しかし、大雅は柚月の腕を掴んで部屋に引っ張りこむと、扉を閉めて内鍵を閉めた。 「何を…」 最後まで言い終わる間もなく、柚月は両手を頭上で拘束されて壁に押し付けられた。 「こうでもしなきゃ、逃げんだろーが」 至近距離で見つめてくる、その目が物騒な光を放っている。 「…十七夜さん、離して下さい。傷害罪ですよ」 「ああ?その他人行儀な口のきき方が気に入らねぇんだよ。塞ぐぞコラ」
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