スヴァルの噺し

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マギナスホール しばらく林道を進む、バキッと太い木が折れる音が後ろの方で音がして、振り向くと、5mの目の血走ったイノシシが山の奥からスヴァルに向かって突っ込んできた。スヴァルは咄嗟に腰に差した刀を握った。 イノシシが突っ込んで来た瞬間、切った。 ーーあぁこのイノシシの子はアマコクの人間が奪ったんだなぁ、それで怒っているんだね、ゴメンね、イノシシさんちゃんと命を頂くからね。 イノシシの処理用魔術具で血抜き、適温にして捌き1㎏ずつ経木の紙に包んでトランクを開けるとトランクに吸い込まれて仕舞われた。 この山を越えると大回りして、街の南門の近くまで行く。 ウルスス様の社は街の北東にあり、オッソ領主城は南西の山の上に城があった。 オッソ領城下町の西門を抜け一日歩くと王都に着く。 南門からの道をそのまま突き進むと水田が広がる点々と50軒程度の村がチラホラある。その道を24kmの道のりを6時間そのまま南下する。 オッソ領にある双子山、カリスト山アルカス山の谷間にマギナスホールがある。 マギナスホールはすり鉢状の穴の空いたダンジョンで穴の周りに様々な環境があり、ダンジョンが生み出した魔獣がいる。 ダンジョンの魔獣の素材や魔石は高価でダンジョンのある国はそれだけで潤った。 ドゥーベア島にあるマギナスホールは数百年前の大災害で山の頂きが崩れマギナスホールのすり鉢状の穴が塞がったしまった、それから時折ダンジョンから魔獣が溢れ出す、魔獣横溢が発生するようになってしまっていた。 そのダンジョンの入口を覆うように建物があり、そこから町が広がっている。町の周りを高い壁で囲われていて、荷馬車がやっと入れる位の門がある。 その門は、5年前までオッソ公爵家が管理しており、兵が見張りに立っていた。 そして、魔獣横溢の対処をしていた。 その為マギナスホールのダンジョンに税をかけており入窟料を徴収し町や国を守り、潤していた。 その門を抜けると宿や酒場、武器鍛冶屋など町に賑わいがあったが、今は廃墟だ。 門を抜けて町に入る。
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