麗しさは永遠に

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国境(くにざかい)にそびえる蓬莱山(ほうらいさん)の向こうには、馬にまたがり地を駆け回る遊牧の民が住んでいる――。 蕃国(ばんこく)と皆が(さげす)んでいる国があるのだと、翠蓮(すいれん)は聞かされていた。 今、その国の王が貢ぎ物と共に使者を遣わしてきている。 「どうか、姫様を我らに」 大きな房がついた紅い縮絨(フラノ)地の帽子を頭にちょこんと乗せた、異国からの使者は、あろうことか、姫、翠蓮を所望した。 婚姻による同盟を望んでいるのは、誰の目にも明らかだった。
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