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「それは、ほんとうなの?」
曇っていた翠蓮の面持ちが、朝日のように輝いた。
「私。このお話をお受けするわ」
この言葉は、すぐさま、使者と謁見中の王に伝えられた。
別に、報告する事もなかったろうが、侍女達が受け止めるには、重すぎたのだ。
――こうして……。
話はとんとん拍子に進む。
ほどなくかの国より、婚礼の証しとして、翠蓮宛てに、山ほどの貢ぎ物が届いた。
特に、一点の曇りも色むらもない、翡翠を使った睡蓮の置物が目を引いた。
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