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とある城に、たいそう泣き虫なお姫様が居ました。
今日も朝から泣いています。
「えーん、えーん。」
小鳥達が、お城にやって来ました。
「どうして泣いてるの?」
泣き虫姫は、小鳥を見て。
「怖い夢を見て、ぐすん。」
小鳥達は言いました。
「それでは、私達が歌いましょう。」
ピヨピョピョ♪と歌います。
泣き虫姫は泣き止んで。
「ありがとう小鳥さん。」
泣き虫姫は、小鳥達に手を振った。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
お昼になり、泣き虫姫が、また泣いています。
「えーん、え~ん!」
すると、鹿が2頭やって来ました。
「どうして泣いてるんだい?」
泣き虫姫は、鹿を見て。
「お腹が空いたの、ぐすん。」
1匹の鹿が、リンゴを持って、戻って来ました。
「それは可哀相に、リンゴをどうぞ。」
泣き虫姫にリンゴを渡すと、鹿達は森に戻って行きました。
「鹿さん、ありがとう。」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
夜になり、辺りが暗くなると、また泣き虫姫が泣き出しました。
「えーん、え~ん!」
すると、お月様が泣き虫姫に気が付きました。
「どうして泣いているのかしら?」
泣き虫姫は、お月様を見て。
「暗くて眠れないの、ぐすん。」
お月様は、ニッコリ笑い。
「眠るまで、照らしてあげましょう。」
お月様は、優しい光を泣き虫姫にそそぎます。
「ムニャ、ムニャ、スー、スー。」
泣き虫姫は、眠ってしまいました。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
数年後、毎日泣いた泣き虫姫の涙で、お城の周りが海になりました。
「えーん、え~ん!」
すると、海からクジラが現れました。
「なんで泣いてるんだぃ?」
「動物達が居なくなっちゃったの、ぐすん。」
クジラは答えました。
「それじゃあ、連れてきてあげるよ。」
クジラは、海に潜って何処かへ行ってしまいました。
数日の間、お日様とお月様が、泣き虫姫を励まします。
「クジラさんが、もうすぐ戻って来るよ。」
泣き虫姫は、その度に泣き止み、クジラを待ちました。
「みんなを連れて来たよ!」
クジラの背中に、鹿や小鳥、猫や犬を乗せて戻って来ました。
「これで、寂しくないよね?」
泣き虫姫は、頷くと、また泣きました。
動物達「えー!」
動物達は不思議です。
「ごめんなさい、みんなが来てくれてウレシクて。」
泣き虫姫と動物達は、今日からずっと仲良く暮らしました。
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