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プリンはどこへ?
"ちょっと~!お母さん呼んで~!"
「なんで?ないのー?」
月菜が学校から帰ってきて家のドアを開けた瞬間、妹の陽菜の叫び声が聞こえた
月菜は、陽菜がまた何かをなくしたのか…
と思った
陽菜はおっちょこちょいな所があり、文房具…ペンや定規、消しゴムなどをよくなくして騒いでいるのだ
ところが今回はちょっと違ったみたいだ
月菜が"ただいまー"とリビングに入っていくと
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
と陽菜が月菜の元へ走ってきた
「何?陽菜、また何か、なくしたの?」
月菜が問うと
「違うよ!学校から帰ってきたら食べようと思っていたプリンが冷蔵庫にないの!」
お姉ちゃん知らない?
と陽菜が言った
「知らないよ。陽菜が食べたの忘れているんじゃない?」
「ううん。絶対、食べてないよ!」
陽菜は、食べてない!と首を振った。
「ん~?そういえば、お母さんは?」
"お母さん呼んで~!って叫んでたよね?"
困った月菜は母に聞こうと思ったのだが
「お母さんなら、少し前に買い物に出かけたみたいだよ」
とテーブルを指差しながら陽菜が答えた
月菜がテーブルを見ると
"月菜&陽菜へ
買い物に行ってきます。直ぐ帰るから待っててね♪
母より"
とメモが置いてあった
「今、居ないの…ね」
「そうなの!だから、叫んでみたらお母さんが早く帰ってくるかな?」
って思って…と陽菜が言った
(いや…買い物なら直ぐに帰ってこないでしょ…)
月菜は心の中で呟き、どうしようかな…と困っていると
「じゃあさ…お姉ちゃん、推理ゲームをしようよ」
と何かを考えていた陽菜が、突然そう言った
陽菜が言うには、
冷蔵庫の中やキッチン、リビングなどを見て回り、誰が陽菜のプリンを食べたのか推理しよう
との事だった
月菜は、しぶしぶ
「いいよ」
と言い
2人で陽菜のプリンを食べた犯人を探すことにした
最初に話したのは、月菜
「陽菜、あなたが冷蔵庫の中にあるプリンを最後に見たのはいつ?」
「ん~と、昨日の夜かな?私が寝る前に冷蔵庫を見た時にはあったよ」
陽菜が答えた
「じゃあ、今朝は?」
と月菜が聞くと
「今朝は時間がなくて、冷蔵庫見てない…」
それじゃあ、いつまであったのか分からないよ…と月菜が言う
「ん~、ゴミ箱を見てみたら?誰かが食べたなら、ゴミがあるんじゃない?」
月菜が言うと
「さすが、お姉ちゃん!」
と陽菜がゴミ箱を見に行く
だが…
ゴミ箱は、綺麗さっぱり何も入っていなかった
「証拠隠滅だな…」
後ろから来た月菜がゴミ箱を覗いて、ボソッと呟いた
「ん?お姉ちゃん何か言った?」
「ううん。なんでもない。」
姉妹でそんな会話をしていたら
"ガチャ"
「ただいまー」
と玄関が開く音とともに、母の声が聞こえた
母はリビングに入ってくるやいなや
「あれ?2人とも帰ってきてたのね。おかえり!」
と言い
手に持っていた紙袋を差し出した
月菜と陽菜が
"ん?"
という顔をしていると
「これ!今、人気のプリンなんだって!並んでも中々、買えないのよ~!おやつに食べよう!」
と母がニコニコしながら言った
「なんで?プリン?」
と陽菜が言うと
「あら?陽菜、プリン食べたかったのよね?」
母が、違った?と言うと
「お母さん、なんで知っているの?」
陽菜がビックリしたように言った
「だって、昨夜大事そうにプリンを冷蔵庫に入れていたじゃない?」
でも…、と
そして、2人は衝撃的な事実を知った
"陽菜のプリン、お父さんが仕事から帰ってきて、甘いものが食べたいって言って、食べちゃったの"
母がそう言ったのだ
そして、今日はゴミの日だから、朝ゴミを捨てたと言うのだ
それだもの、痕跡が残っているはずがない
「だから、お父さんが陽菜に悪いからって、今日このお店のプリンを買いに行って来たら~って言ったのよ」
と母が言った
「え~これじゃ、いくら探しても分からないよ~
犯人はお父さんだったの~?!危うく警察に電話するところだったよ~」
と陽菜がブーブー言うと
「なんで警察やねん!」
すかさず月菜がツッコむ
「だって、事件は迷宮入りするところだったじゃないの!」
陽菜が言うと
「でも、良かったじゃない!解決して!」
月菜も陽菜のゲームが終わって、ホッとしたようだった
すると、母が
「何ぶつぶつ話しているの?
ほら!立ってないで、手を洗ってみんなでプリンを食べましょう!」
と言った
陽菜も解決して、納得したようだったので、良しとしよう!
と月菜は心の中で呟いたのだった
END
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