通じる気持ち

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 美琴がロッカーで着替えを済ませて戻ると、副社長はデスクのパソコンに向かって難しい顔をしていた。 「プロジェクト以外にも、仕事忙しいんですか?」 「まぁ、いろいろと……。面倒なこともありますから」 「ふーん」  美琴はソファに腰かけて大きく伸びをする。  肩周りがコキコキと鳴った。 「ここ最近、遅くまで作業してましたからね。疲れたでしょう?」  副社長がキーボードから手を放し、美琴を見た。 「まぁ。ちょっと週末に労働したってのもありますけど……」 「労働?」 「知り合いに誘われて、ボランティアで草刈りをちょっと」  美琴は頭に手をやってあははと照れ笑いする。 「そりゃ、ハードですね」  副社長はふと立ち上がると、扉の前に歩いて行った。 「友野さんにだけ、特別に教えてあげますよ。僕のお気に入りの場所」 「え……?」 「ついてきてください」  美琴は副社長に言われるがまま、エレベーターに乗り込んだ。
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