干物のミカタ

SNSのひと

　美琴はその写真がアップされた時間を、急いで確認する。

「……まだいるかも知れない！」

　慌ててスマートフォンを鞄に突っ込み、荷物をまとめ靴を履く。

　はやる気持ちで手がもつれ、靴ひもがうまく結べない。

　何とか紐を結び帽子を被って店先に出ると、おばちゃんが目を丸くして寄って来た。

「あんた！　まだ動かない方がいいって！」

「もう大丈夫です！　本当にご迷惑をおかけしました。また改めてお礼に来ますので」

　美琴はぺこりと深く頭を下げると、走って遊歩道に向かった。