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そうこうしている間にも、手はだんだんと痺れて感覚がなくなる。
限界まで伸びた両腕に、自分の全体重と地球の重力がひしひしと伝わって来た。
「こんなことならダイエットしとくんだった」
そんな美琴を照らすかの様に柔らかな光が差し込んできた。
「ありゃ後光だね。仏様の後光……」
ついに自分の前にもお迎えが来てしまったのか。
――明日の朝刊の一面トップを飾れるかな……。
ぼんやりとそんな事を考えながら、慌てて首を振る。
「いやいや! んなこと考えてる場合じゃない……」
このままじゃ本気で新聞に載ってしまう。
それも地方版の片隅に……。
そして美琴ははっとしてさらに青ざめた。
「わ、忘れてた……。今ここで死んだら部長に殺される……。って、死んでるんだから殺せないけど……とにかくまずい!!」
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