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『これが、僕が赤座教授から託されたタブレットです。これで地図を出して選択すると、その国にレーザーが照査され、国に生きる人々がみんな死ぬことになるのだそうです。国際連合は、そのような決断を下したというのです。
僕は、罪もない人々を殺す、このようなやり方を認めることはできません。命を持って、その決断が間違っていることを訴えようと思います。
このタブレットは、この家に、この世に置いていきます。
どうか、良心的な人々がこれを見つけて処分してくれること願います』
今頃、教授は慌てて僕の家に向かっているだろう。警察もだ。しかし、もう遅い。
動画サイトへの、生放送。まさにそれを行っている真っ最中のカメラの前で僕はにっこりと笑って、その場で猛毒が入ったお茶を飲みほしたのだった。
これで、僕の名誉は守られる。
同時に、兵器の存在も国連の意図も全世界に知れ渡ったはずだ。僕がこの世に残したタブレットを巡って、この国を中心に血みどろの争いが繰り広げられるだろう。まさに、カオスの到来だ。そのまま世界はぐちゃぐちゃになって滅んでくれるかもしれない。
――ははは、ザマアミロ!
なあ、クソ教授。
お望み通り、僕にしかできないことを、やりとげてやったぞ。
僕は満足しながら、永遠の眠りについたのである。
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