守護神を呼べ!

1/1
前へ
/1ページ
次へ
「守護神を呼べーっ!」 笹子が叫んだ! そう言われて私はハッとした! そうだった! 2、3日前から、突然オタマジャクシトーンという妙な楽器で弾き語るカエル型の守護神が私に取り憑いているのだ。 こんな時こそアイツを呼ばねば! 昨夜、笹子から「明後日の日曜日に、お寺のお祭りでオタマジャクシトーンの合奏をやるから出ておいで」と連絡が来た。 おおお!参加したい! このところコロナのせいで、発表のチャンスは激減というよりマッタク途絶えていた。お祭りも大抵中止されていた。 お寺のお祭りなんて楽しそう~!ワクワク! が・・・・・ 「日曜はダメよ~! 午前はミーティングあるしぃ・・・日曜日が締切りの原稿が1本あるのよ~ 原稿が早く片付いたら応援にいくね~。あ、オタマジャクシトーンは持って行くけど」 すると笹子は叫んだのだ! 「アンタさぁ、近頃守護神がついてるとか言ってたじゃない! 守護神を呼んで、何とかしてもらいなさいよ!」 そこで私は叫んだのだ。 「おーい!守護神よ~!出てこ~い!」 すると 「今日もよかよか よか天気~ケロケロ~♪」 歌いながら出てきたではないか! 「明日が締切りの原稿を何とかしておくれ~!」 「お安いご用たい。ケロケロ~♪」 守護神がププピーとオタマジャクシトーンをかき鳴らすと、 あーら不思議! 次の瞬間!私の頭の中に書くべき原稿の内容が舞い降りてきた! 舞い降りてくる言葉たちを捕虫網で捕らえるようにして私は文字を書き付けていく。 できた~! 700文字足らず。ちょっと短いけど、クレームがきたらそれから書き足せばいいや。 上出来!上出来! やったね! これでよし! さあ、オタマジャクシトーンの練習をしよう♪ (おわり)
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加