世界の支配者vs鳥

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世界の支配者vs鳥

 丘の上にある展望台から見下ろすと街並みが広がっている。赤、青、灰色の屋根を持つ住宅に、直方体の無機質なビルディング等、様々な建物がある。  ――私のものだ。  そのまま視線を上げ、まっすぐ西の方を見る。  青緑色の山並みが見え、その奥には、化粧したかのように山頂部が白くなっている成層火山が見える。  ――私のものだ。  南の方を見る。  ダークブルーの海が広がっている。波はあまり高くない。彼方には地平線が見える。浜辺の方を見ると、穏やかな波が繰り返し打ち寄せてきている。  ――私のものだ。  展望台から下り、空を見上げる。  広大な青空に、小さな綿雲が、ちらほらと見える。  ――私のものだ。  ――そう、何もかも私のものなのだ。  今日から私は世界の支配者になったのだ。
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