鬼狩りの鬼番外編

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鬼狩りの鬼番外編

 9月15日は夏の終わりを告げる花火大会が開催される。  夜叉丸は珍しくいろはを花火大会に誘って来ていた。 いろは「花火を見たいなんて珍しいね夜叉丸··」 夜叉丸「···別に。現代の花火に少し興味があっただけだ」  ····いつも花火大会に誘っても絶対に来ないのにどういう風の吹き回しなんだろうか? いろは「やっぱりホシ猫さんも誘ったほうが良かったんじゃない?」 夜叉丸「あぁ?!何であんなうるせぇ猫を連れて来なきゃならねぇんだよ!」  冗談じゃねぇぜ!!と吐き捨てている。    でも···、それだと···  ふ、二人っきりなんですけど···。 夜叉丸「あ、そうだ!いろは」 いろは「え?」 夜叉丸「あれ、買ってやる。」  夜叉丸が指さした方向には出店があった。 どうやらりんご飴を買ってくれようとしているようだ。 いろは「え?!夜叉丸が、わ、私に?!」 夜叉丸「···別にいいだろ」 いろは「勿論嬉しいんだけど!!」  ほ、本当に雪でも降るんじゃないかしら···。でも、うん、スッゴイ嬉しい!! いろは「夜叉丸、有難う!!」 夜叉丸「お、おお···」  夜叉丸は満面の笑顔で喜ぶいろはに少し驚いたのか照れくさそうにしていた。  そして、花火大会が始まった。 いろは「夜叉丸!始まったよ!」 夜叉丸「おまっ、あんま走るなよ!!コケそうになってんじゃねえか!」    いろはは、今日のために拵えていた浴衣を着付けて下駄を履いている。 いろは「う、うん。やっぱり下駄は履き慣れないなぁ」 夜叉丸「ほら、しゃーねぇから手を貸してやる」 いろは「っ!!!?」  信じられない···。夜叉丸が、や、優しい。これはもう槍が降るわ···  でもめちゃくちゃ嬉しい!!  二人は少し高い場所に登って花火を見ることにした。 いろは「特等席だー!!」 夜叉丸「···だな」  嬉しそうないろはを夜叉丸は軽く微笑みながら見ている。 いろは「りんご飴も有難う!」 夜叉丸「···礼はいいから早く食えよ」 いろは「で、でも···そんなに見つめられたら食べ辛いんだけど···」  それでも夜叉丸はいろはをずっと見つめている。 0d5ea0aa-b1f2-48c1-91db-dae3096468bb いろは「な、なに?!」 夜叉丸「早く食えっつってんだよ!」 いろは「いや、だから!何でそんなに見てるの?!」 夜叉丸「うるせぇな!!いいから早く舐めろ!!」 いろは「い、言い方!!」 夜叉丸「てめぇ、いつになったら舐めんだ!買った意味ねぇだろが!!」 いろは「は?」 夜叉丸「さっさと咥えろ舐めろしゃぶ·····っ」  ッパーーーーン 夜叉丸「ぐはぁっ!!」(夜叉丸いろはに平手打ちを喰らう) いろは「少し黙ってろ変態クソジジイ!!」 夜叉丸「く···、くそ!馬鹿力め···!こんな事ならチョコバナナにすれば·····」  ッパーーーーン (夜叉丸いろはに平手打ちを喰らう(2回目))  結局夜叉丸は下心満載でいろはを花火大会に誘っていた。  しかしその後、夜叉丸といろはは静かに花火を楽しんだとさ。  下心満載な夜叉丸····、それでもいろはは夜叉丸と二人で花火を見られた事に、心底幸せを噛み締めていた。 『鬼狩りの鬼番外編🔚』
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