星の王子さま

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星の王子さま

b33591b6-dda1-4ef1-91d0-6fa63494e0c5 僕は 考え深い子ども だった 幼い頃から 僕の生活空間には 母が『使用人』と 呼ぶ人々が 生活の中に 常に 何人もいた 住み込みで働いている人もいた 24時間 家族以外の人がいる 家庭は僕の生き方を複雑にした 例えば目の前に みかんが5個 使用人が5人いたら僕は 絶対 みかんを食べない という具合 母に叱られた使用人がいたなら 僕も同じことして叱られてみる 僕はもっとひどく叱られてみる そんなことで平和を維持できる と 考え いろいろ試してみた 誰かの辛い顔を見たくなかった 僕は普通の家が 羨ましかった 家族だけで暮らしてみたかった 気遣いない気楽な生活に憧れた 学校でも 同じような気持ちで 仲間のケンカをやめさせたくて 僕は頓珍漢な悪役を演じていた 先生は案外 僕の企みを見抜き まるで僕は叱られなかったから 僕は図に乗り演技が上手くなり 4年生までは迷いなく演じてた 5年生になった時 なぜか急に  僕は 演じる意味を 見失った 担任の先生があまりに身勝手で 露骨に僕をえこひいきしたから 背の高い 若い新婚の男の先生 宮澤賢治が好きな 岩手大学卒 という経歴で奇妙過ぎる自己中 友だちが僕に食ってかかるほど 僕が仲間はずれになるほど に 先生は僕を えこひいき した えこひいきという イジメ だ 僕の生き方は 大きく変わった その先生は今でも僕に出会うと 思いっきり僕を抱きしめてくる 昔から ただ僕が好きだったと あっけなく言ってのける けど その先生の出現 で とにかく 僕は 変わるしかなかったんだ 僕は 友だちを求めなくなった 僕は 毎日のように山へ行った カメラを持って彷徨い写真撮影 木や草や虫や動物を スケッチ 家に戻って 音楽を聴きながら スケッチを仕上げて詩をつける 今の自分とほとんど同じことを 始めたのは その頃からだった 星の王子さまが大好きになって 星の王子さまの心になりきって 地球という星を歩き回っていた 何が幸せか不幸か わからない 運命は努力とは何の関係もない 人間関係の駆け引きから離れて 真実だけを見極めたいと思った その憧れが時を経て 今の僕を 作り続けているという 不思議  
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