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5baade2c-c269-4601-9004-2e45a97dc815 幼い頃には  ばあちゃんと 二人で 山へ行った 山菜採り きのこ採り と称して 山へ行って おむすびを食べていると ウサギが飛んで出たり 鹿が通り過ぎたり 野犬が寄ってきたり 小鳥が遊びに来たり そのうち僕は ひとりで 山へ行った 何しに山へ行くかって? 何もしないために行く 何もしないで 黙って 山の一部になっている 心を うさぎにする 弱く 優しいうさぎ 人間 を 取り囲む さまざまな 命 命の 寄り添い方を山は教えてくれる 他の命の自由を見守る 距離感 他の命の尊厳を慈しむ 畏れ 山の空気を読みに行く 山にそよふく風になる 崖登りの途中で転落して 頭を打って血まみれになった時は 母さんには  その辺で転んだと言った 木登りして枝にセーターが引っかかり 取れなくて脱ぎ捨てて帰った時は 母さんには どこで脱いだか忘れたと言った 危ないから山へ行くんじゃない と 言われても行くだろうから 初めから ムダな心配をかけない方が良い それは 今も同じ 我ながら危険な男だと自覚あり
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