ぼくの好きなきみのこと

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「で、その人のことをいまだに思い続けているってわけ? 十年以上もたつのに?」 「あれだろ? 忘れられない初恋、ってやつ」  無邪気(むじゃき)な友人たちの冷やかすような(あき)れたような笑顔と、空になっていくグラスとお皿。  明日になれば、忘れてしまうようなどうでもいい話。  その中に(まぎ)れて、忘れてしまえばいいだけなのに、どうしてぼくは蒼井のことがこんなにも忘れられないのだろう。
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