ぼくの好きなきみのこと

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 蒼井は変わってしまった。もう好きじゃない。  前は、あんなふうじゃなかったのに。  そう言って目を背ければ済むことなのに、ぼくはできなかった。  ずっと心の中で叫んでいた。  どうしちゃったんだ、前の蒼井に戻ってくれよ。  冗談めかして、あるいは真面目な顔で、言えたらよかったけれど言えないぼくは、ただ遠くから蒼井を見ていることしかできなかった。
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