ぼくの好きなきみのこと

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 同じ地域に住んでいると、学校がちがってもかつてのクラスメイトを見かけることがある。  駅で、電車の中で、街で一番大きなスーパーマーケットの中で、ぼくいつも蒼井を探した。  探している癖に、その姿を見かけると胸がつぶれるような痛みを覚えた。  目つきも、笑い方も、どこか濁っている。  僕の知っている蒼井はもう、いないんだ。  何度も自分に言い聞かせたのに、それでもやっぱり探してしまう。  どうしてだろう。  蒼井じゃなきゃダメなんだ。
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