(一)

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 私も、同じ部活の友達と一緒に事件現場へ向かった。  校舎の昇降口の手前に人垣ができていた。先生たちも集まり始めていた。  建物の柱の陰の当事者の姿を見ることができず、何が起きたかわからないまま、その場を離れていく生徒もたくさんいた。  遠くから救急車の音が聞こえた。徐々にサイレンは大きくなり、やがて止まった。  私と友達は、人垣の隙間から事態を見守った。救急隊員が二人、足早にやってきた。しかし二人は、昇降口近くにくるとすぐに車に引き返した。今度は担架を持ってやってきて、柱の向こう側に消えた。  しばらくすると担架が運ばれてきた。  そこには一人の生徒が横たわっていた。紺色のセーラー服を着ていたから、女生徒だ。 (続く)
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