友人Fの本懐4 - 厄介な先輩 -

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友人Fと知り合って、一年が過ぎた頃だっただろうか。 今の時期の様に桜が舞う季節だった記憶がある。 Fに不幸事があり、家族で田舎に帰ると言いFは不在だった。 多分、春休みだったのだろう。 私は友人の関口と一緒にまだ肌寒い公園で何をするでもなく、一日過ごす事があった。 関口が腹が減ったというので、公園を出て、有名な牛丼屋へ行き、飯を食って、また公園に戻ろうとしている時に、改造した煩いバイクが目の前を通り過ぎて止まった。 ヘルメットも被らずにバイクに乗った若い男は振り返ってじっとこっちを睨む様に見ていた。 「やばいな…」 と関口が私の横で呟く。 「何がやばいの…」 と訊くと、どうやらそのバイクに乗った男は関口たちの学校の先輩らしく、そこまで親しくも無いのに、やたらと付き纏う人らしい。
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