堕天使 其の九

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堕天使 其の九

見えない何かの線が切れた。 それは、静かに音も無く、切れたのだ。 今まで、何度も切れようとしたが、決して、切れなかった線が、切れたのだ。 前触れも無く。 それが、どんなに、恐ろしく、怖い事なのかに、全く気づかず。 それが、どんなに、修復不可能な事なのかに気づかず。 それが、悲劇の始まりとは、知らずに、のうのうと、己だけが正しいと、生きている。 これから、始まる悲劇、いや惨劇を、周りの方々が散々、思い知らされるであろう。
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