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その後、すぐに木下は鑑識に走り状況を説明。
急遽、不破警部のDNA鑑定が行われた。
すると、現場で採取された毛髪から不破警部と同型のものが見つかった。
現場捜査に加わっていない警部の遺留品があったことが決め手となり取り調べが行われた。
証拠が見つかり観念した不破警部は供述を始めた。
ストーカー被害者の名簿に好みの女性を見つけたのが今回の被害者だった。そこから住所や年齢など個人情報を取得した。
勤務時間外に被害女性の部屋を訪れ、相談に乗る振りをしながら淫らな行為に及んだらしい。
気の強かった被害女性は「警察に通報されたくなければ金を払え」と不破警部を強請ってきた。
このままでは強請られ続ける人生になると危惧した不破警部は殺害を決意。
防犯カメラの位置を調べ、逃走経路を入念に調査。
変装をし、金銭を渡すと嘘をつき部屋に上がるとナイフで殺害。
凶器のナイフは逃走途中の川に投げ捨てた。
ストーカーに罪を着せるつもりだったらしい。
大谷の目撃証言により事件は無事解決した。
「御協力、ありがとうございました!」
警察署の玄関前。
深々と頭を下げる木下巡査に対し、振り返らず右手を軽く上げると、パタパタとサンダルを鳴らして帰っていく大谷だった。
完
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