真冬のロックンロール

7/8
前へ
/8ページ
次へ
5分ほど経っただろうか、キノの魂の分身は離れて行った。またいつでも来てほしい。私、何かきっとあなたの役に立てる。これもなぜか確信がある。 翌日も、夜になると彼のSNSを開く。 今日はチャック・ベリーの「Rock 'n' Roll Music」を、ギターを弾きながら歌っている。いつものように熱くかっこよく歌ってる…けど… え!? え!? 何かおかしい。なんだろう。彼に何かあった。 多分いるであろう彼女さんとケンカでもしたのかな。それとも体調が悪いのかな…。 とにかく何かおかしい。どうしたんだろう…。これを胸騒ぎというのかな。生まれて初めて感じた。 私を呼んで! すぐ行くから 私じゃなきゃダメなの! 私を呼んで! 心が叫んでた。 実際に行くことはできないけど、魂の分身は飛んで行けると私は知ってる。 あなたの魂を慰めたり癒やしたり励ましたりできるのは私しかいない。まったく根拠はないけど、そう思う。 呼ばれなくても行く! きっと行ける。そう信じてる、というより、そうなる。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加