日常 その3

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日常 その3

俺はゲン ただのサラリーマン ただのアラフォー 取り立てて なにもない 普通が一番 平凡二番 今日も仕事を 頑張ろうじゃないか フラフラしてても 暇なだけだしな そういえば このスーツも もう古いよな 1着くらい買うか・・・ サラリーマンにとって スーツは戦闘服だ 少しは良い物を 揃えないとな 〖おはようございます☆〗 「元気だなお前は」 〖イメチェンしましたから!〗 「・・・どこか変わったか?」 〖解らないんですか!?ポローン!〗 「いや・・・すまん・・・」 〖声帯を交換したので!〗 「生々しいな!弦って言えよ!?」 〖そうともいいます!〗 「はぁ~・・・」 〖いつもより華やかで甘く聴こえませんか!?ポローン!〗 「そう・・・だと・・・思う・・・たぶん・・・」 〖御新規様へお伺いですから!癒しとやる気で案件取ってこようかと!ポロローン!〗 「おー、気合い入ってんなぁ」 〖いつもはナイロンなんですが〗 「ん?」 〖ナイルガットにしました!〗 「あ?なに?あんだって?」 〖な!い!る!がっ!と!〗 「あ、うん、なに?」 〖弦の種類の話ですよ!〗 「えーと、俺で言うところの、スーツみたいなもんだな・・・こう、テンション的には」 〖まあ、人間族で言うところそうでしょうね!〗 「ハッキリと人間族って言うたな・・・」 〖僕はウクレレ族なので!ポローン!〗 「うん・・・まあ・・・人間は、正念場で声帯の交換はしないけどな」 〖声帯取替可能ですからねぇ、ウクレレ族は〗 「怖い言い方すんなっ」 〖先輩はスーツでテンション変わるんですか?〗 「そだな、ちょっとお高めの上下にするとかな」 〖おいくらくらいなんです?〗 「俺は・・・6~7万くらいだと・・・高く感じる・・・」 〖たっか!!!!〗 「あ、そうなんだ?」 〖そんだけあったら、僕達3体は買えますよ!?〗 「人身売買みたいに言うなっ」 〖僕の声帯はですね、いくらかといいますと〗 「もうツッコまなくていいか?」 〖2000円くらいですねっ!ポローン!〗 「え、マジ?」 〖マジです!〗 「そりゃーいいなぁ・・・ウクレレ族になりてぇ・・・」 〖お金が浮くレレです!ポローン!〗 「え・・・うん・・・そうだな・・・」 〖スルーですね!さすがです!あ!客先行ってきます!ポローーーーン!!!〗 「・・・暖かい国の楽器なのに・・・寒さを残していくなよな・・・」
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