弦たちの人生

日常 その8

俺はゲン
ただのサラリーマン
ただのアラフォー

取り立てて
なにもない
普通が一番
平凡二番

昨日は大変だった
後輩のウクレレくんに
謎の流れでコクられ
混乱しながら早退

なんなんだろうな
可愛い後輩ではあるが
種族の壁がね
人間と楽器なんで

それよりもだな
全然気分が上がらない
かと言ってサボれない
サラリーマンの運命だ

「おはよーさん」

〖早退先輩！？メンタル復活ですか！？ポロン！〗

「早退先輩ってなんだよ！？ いや全然復活してない」

〖大丈夫ですか！？癒しの音でも･･･！〗

「いや、要らんて」

〖なんだろう、この流れ、デジャブです☆〗

「いやもう、俺もだわ」

〖やだ･･･☆ 同じ事思うなんて、やっぱりデスティニー☆ポローン☆ 〗

「いやもう、いいからもう･･･」

〖いっそ！心機一転！クタクタメンズから、渋いダンディにイメチェンでも！？〗

「クタクタメンズってなんだよ！？あと人間は！声帯(弦)の交換とか！ローGチューニングとか！出来ないからな！？」

〖失言ボケへの正統ツッコミと、先回りツッコミ☆ ダブルでさすが☆〗

「おめぇのおかげで慣れたからなぁ！？」

〖先輩がテンション上がってきたぁ☆ポロン！〗

「上がったというか、無理やり上がらされてるというか･･･」

〖そういえば、僕の親戚なんですけどね〗

「･･･急に話が変わるわ･･･」

〖叔父が、かなりハードボイルドダンディズムで☆〗

「ほう」

〖バトって名前です☆〗

「あー、なんかこう、バトル的な、闘う漢的な？」

〖違います！〗

「違うんかい！」

〖バリトンウクレレなんですよ☆〗

「･･･お前ん家の名前の法則性だと〝バリ〟になるんじゃないんか･･･｣
(↑日常その4を参照☆ ペコリンチョ☆)

〖そんな名前にしたら、はみ出しモノみたいじゃないですか！？ポロロン！〗

「島の名前だと思わないあたり、製造ライン思考だよな･･･」

〖製造ってワード禁止ですー！ポロンポロン！〗

「あーはいはい、ごめんなさいね」

〖叔父は、他の親族と違って、チューニングがギター族と同じなんですよ～！体も他より大きいんです！〗

「あー、ギターの1～4弦だけで弾けばウクレレと同じって聞きかじった事あるけど、そのバリトンってやつと同じになるってことか(ギター族？)｣

〖･･･先輩！僕の親族の事まで興味もってくれて･･･/// やだ☆嬉しい☆ポロン☆〗

「ちがう、そうじゃない。断じてそうじゃない！」

〖あの、親兄弟と親戚に挨拶とか･･･しに来てもらってもいいですか･･･？///〗

「そうじゃねぇってばよーーー！！」