弦たちの人生

日常 その1

俺はゲン
ただのサラリーマン
ただのアラフォー

取り立てて
なにもない
普通が一番
平凡二番

まぁ、別に
見てたいならどうぞ
特に面白くもねぇと思うけど

今日も定時に出社し
普通に書類確認してる

ああ、後輩が来た
ウクレレくんだ

あ、普通にウクレレね

いや、ウクレレはウクレレな
説明要らんだろ？

〖おはようございます⤴︎︎︎〗

「おはよーさん」

〖今日も元気に鳴らしてきましょぅポロン〗

「鳴らさんでいいから席に座っとけ」

〖はい！･･･あれれー？ポロロー？〗

「なんだ？」

〖誰ですか？イスの位置変えたのー？〗

「あ、すまん俺だ、さっき掃除しててな」

〖なんですかもー、僕、体小さいんですからー！ちゃんとイス戻しといて下さいよ！〗

「ってか、ウクレレスタンドの事、イスって呼ぶな」

〖座るんですからイスですよ！〗

「スタンドなんだから立てよ」

〖立ってろってパワハラじゃないですか！ポロロン！〗

「立ってろというか、立ててろというか･･･」

〖同じですよねぇ！〗

「はいはいすんません」

〖まったくもー！〗

「ところでさ」

〖なんですかポロン〗

「たまに出るポロンってなんなの」

〖あれですね、4弦が当たっちゃって響いちゃうんですかねポロン〗

「今、わざと4弦ポロンしたよな？」

〖してないですいつもですポロン〗

「いつもそんな音だしてねぇよな」

〖わざと端っこ引っ掛けたりしてないですポロン〗

「してるじゃねぇか！」

〖先輩しつこいです～〗

「あーはいはいはい」

〖今日はハイGチューニングなんでテンション高くポロンしますよ！〗

「やっぱわざとじゃねぇか！」

〖ローGの方がお好みですか？〗

「いやもうなにがなんだか」

〖そうですか･･･低めな僕の方が･･･〗

「いやそーゆー事じゃなくてな」

〖いいんです･･･今から帰ってローGに変えてき･･･〗

「いやもういいから仕事始めてくれよ」

〖そうでした☆〗

「ハイGだと切り替え早いな！」

〖大好き先輩の好みになりますよ☆〗

「･･･可愛いやつだなぁ」