赤いヒールの女

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ハイキングに行った時のことだ。 それは何度も行っているハイキングコースだ。 慣れたもので、コースを外れて何回も山の中に入った。 しかしこれがいけなかった。 何度目かの時、戻ろうとしたのだが戻ることができなくなった。 完全に山の中で迷ってしまった。 ――まずいぞ、こりゃ。 こっちじゃないか、あっちに違いないとずいぶんとさ迷った。 疲れもあり、途方に暮れて立ち尽くしていた時のことだ。 木々の向こうの少し離れたところに、若い女が歩いているのが見えた。
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