第2話

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第2話

 協律館学園は大きく三つの科に分けられている。普通科、スポーツ科、そして有馬が属する特進科だ。  基本的には『生徒の自主性を尊重した校風』の通りに、校則はかなりゆるい。設立が浅いこともあり、校舎も近代的だ。  普通科に限っていえば、この学園の門をくぐることは容易だった。ただし金持ちに限る。バカ高い入学金と授業料を払えば、大抵の人間はここの生徒になれる。そのため必然的に、親が会社の社長や役員である生徒がほとんどだった。また、申請をすれば芸能活動が認められ、試験や出席日数も配慮される。  スポーツ科は、スポーツ推薦で入学してきた生徒で構成された学科だ。『スポーツ界の未来を担う若者の育成』に特化したカリキュラムで、学業ではなくそれぞれの属する部活動を優先している。この科に限っては全員が寮生であり、サポートは食事や睡眠にまで及ぶ。元々が優秀な選手ということもあるが、充実した設備と環境もあり、陸上や体操、水泳競技の全国大会では協律館の名前を見ないことがない。
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