第2話

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「普通科と違い、特進科、スポーツ科の生徒は明確な目標がある中で学園生活を送っているかと思います」  壇上の頼弥は、圧倒的なオーラを放っていた。まるでスポットライトが当たって、発光しているように見える。  その派手な見た目から、チャラついた中身を勝手に想像していた有馬は、男がきちんとした言葉を使えることを意外に思った。 「その反面学校行事に関しては参加しているとは言い難い。それでは学生時代に培うべき相互扶助の精神は育たない」  落ち着いた低い声はとても聞きやすく感じる。この催しにまったく興味がなく、仮眠しようとしていた有馬も、気付けば聞き入っていた。 「生徒会にしてもそうです。学園全体に関することなのに、一つの科で運営するのは偏りがありすぎる」  頼弥は講堂端に待機していた教師の列を見やり、言葉を続けた。
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